2012.11.11更新

昨日、名古屋市立東部医療センター病院長 佐藤 孝一先生のあいさつのもと循環器内科の先生方による心房細動患者における抗凝固療法の現状、問題点、実際の切り替え症例など講演会を聴きに行きました。

また同時講演として京都府立医科大学 循環器内科 准教授 白山 武司 先生による心房細動の脳梗塞予防の話を聴いてきました。

もともと非弁膜性心房細動の治療はCHADS2スコア(うっ血性心不全、高血圧、年齢75歳以上、糖尿病、脳卒中・一過性脳虚血発作の既往)から点数を計算し、2点以上ならワルファリン、ダビガトラン(プラザキサ)の推奨。1点でも考慮可となっています。

最近では更に血管疾患、年齢65歳~74歳、女性を加えたCHADS2-VAScスコアで2点以上で経口抗凝固療法が推奨されるようになりました。(ESC欧州心臓病学会心房細動管理ガイドライン2010)

実際に東部医療センターの循環器内科の先生方による発表では心房細動のワルファリンコントロールはPT-INRが1.6未満が実に30%近くいたとのことでした。ワルファリンではPT-INR2~2.6(70歳以上)で安全といわれていますが、確かに3を超えてくると出血のリスクが増えることから、積極的にはワルファリンは使用されていないことが分かります。

ここにダビガトラン(プラザキサ)が2011年発売されました。採血によるチェックが不要で、直接トロンビンの活性部位に結合し活性を阻害することで血栓形成抑制作用を発揮します。

ワルファリンコントロールの不安定な方には特効薬であります。しかし、実際の使用例には貧血(出血)が存外多いようです。注意が必要です。結局のところ貧血、出血のチェック、APTTなどの検査は必要です。

心房細動の治療はカテーテルアブレーションで完治する可能性も十分にあります。

非常に興味深い講演会でしたが、心房細動の治療はとても注意深くしていく必要があると改めて考える日でした。

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投稿者: 長沢医院

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